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悲しい公園通り


by TARO MATSUMURA @taromatsumura 2004.09.11 23:14

 以前のトーキョーニュースで、下北沢のスターバックスでは「夏の恋の中間決算発表」が各所で行われているという記事があったけれど、そろそろ最終決算の時期になってきたみたいだ。渋谷の公園通りにあるカフェでは、そんな決算の発表が行われていた。いや、とても陽気に伝えられる内容とは言い難い、そんな様子ばっかり。


 タオルを片手に女の子が1人、ぼーっと店の中を見ている。テーブルの上にはカップが2つ。ホットのカップとアイスのカップが1つずつ。時々ホットのカップを両手に抱えてはため息をついてる。まだ少し暑かった午後なのに、少しでも暖を取りたかったのか。時折またこみ上げてくると、タオルに顔を埋める。

 そんな情景がカフェの中の一角にあると、どうしても弾んだ話なんてできなくなる。別にうるさく話すのはほめられたことではないし、別にどんよりしたムードがあるのが迷惑、というわけでもないんだけれど、なんとなしに深刻な空気を察して、あまり広くない店内にいる人たちは何となく声を潜める。

 本当はそういうふうに気を遣われるのは期待してないのかもしれない。普通の午後のカフェの風景を演出していて欲しいのかもしれない。だからこそカフェに身を置いたままにしているのかもしれない。とはいえ、店内の狭さがなかなかそれを許さない、というか。

 落ち着いてくると、今度は手を顔の前で組む。薬指には指輪が。その指輪をくるくると回し始める。10分くらいだろうか。ずっと指輪をくるくる回している。回しはするけれど、横には動かそうとしない。あるいは、と思い、一瞬の緊張が走る。けれど、触るのをやめてしまう。

 もうこれ以上見ているわけにはいかなくなって、その場を立ち去ってしまったけれど、その後彼女がどうしたかはわからない。そのカフェにいて、ちょっと不自然に静かな情景を作っていた人だけが知っていること。

pencilcommentいや、そんなにまじまじと観察していた訳じゃないです。ちょこっと見ただけでそれ以上は見ていられなくなりました。でも、店の中の雰囲気は明らかに飲まれていました。


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