TOKYOTODAY
そば屋の湯桶
by TARO MATSUMURA - 2009.07.04 23:05
「湯桶みたいに横から口出してんじゃねえ」なんて言われているのは、そばをおいしく頂いた後にそば湯が入って出てくる角湯桶の口が、角にあるから。正面じゃなく横からでているのでこういう風に言われるようになった。
湯桶はそば湯用ではなく、上流階級のご婦人が化粧の時に使っていた湯注しが由来だと言われている。
江戸時代には酒器にも使われていたそうだ。江戸時代は角形じゃなく丸形が主流。口出しの表現は落語にありそうで、江戸時代のそばの風景から生まれてきたんじゃないか、と勘違いしていたけれど、どうも江戸末期から明治にかけて生まれた表現のようだ。
生まれた時期はともかくとして、何とも風情のある表現だな、と感じさせてくれるあたり、落語の言葉のメソッドに見せられているところなんじゃないか、と思ってしまったりしている。
日本語としても「湯桶」という言葉は面白い、と言う話はウェブを調べると沢山出てくる。訓読みだけで行けば「ゆおけ」、音読みだけで行けば「とうとう」。横から口を出すのは、いずれにしてもまどろっこしいものなんだ。
Author
松村太郎 Taro Matsumura
ジャーナリスト・企画・選曲。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ビジネスブレイクスルー大学講師。テクノロジーとライフスタイルの関係を探求。モバイル、ソーシャルラーニング、サステイナビリティ、ノマドがテーマ。近著に『タブレット革命』『スマートフォン新時代』など。 read more & contact
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