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尾崎ビーフを堪能する

by TARO MATSUMURA - 2009.11.28 16:23

宮崎のMac Users Groupイベントの前夜祭は尾崎畜産で尾崎ビーフを堪能する会だった。昨年からnobiさんが「熟成肉の時代だ」と連呼していて、その現場に1年越しで訪れることが出来た。これは確かにすごい。

 まず出迎えてくれたのは、ミスジの刺身とタタキ。さっそく希少部位をしかも刺身で頂く体験には驚いた。常温でも溶け始める油のしつこさは一切なく、するっと口の中に入ってくる。

尾崎畜産 「うちの肉はゆっくりと育てるから、脂肪が不飽和脂肪酸なんだよ。だから胃もたれしないんだ。」

 そう語るのは、今回の肉を生産し、焼いてくださった尾崎畜産代表取締役会長の尾崎宗春さん(肉を持っている左の方)。24歳までアメリカの畜産を専門に扱うネブラスカ州立大学で畜産を学び、世界中の牛肉と戦うためにどんな肉を作ればよいか、と言うグローバルな視点も持ち合わせる人物である。

 「俺の肉は誰にも触らせない。近くの人に最高の状態で食べてもらって、幸せになってもらうことが大切なんだ。」

 言葉の1つ1つに深みがあるのは肉の味にもしみ出ているかのようだ。

尾崎畜産尾崎畜産

 次に頂いたのはミスジとクリの焼き肉。700kgの牛のうち13kgの足の中から、ミスジ3kg、クリ2kgしか取れないという希少部位。ミスジは刺身でも食べていたけれど、焼くと香ばしさが加わり、ジューシーさが増してくる。一方のクリはもう少ししっかりとした歯ごたえが残る分、噛みしめたときの肉汁の広がりを感じる。シンプルな塩味以外、肉の味で満たされる食べ方が最高だ。
 


 
尾崎畜産尾崎畜産

 続いてダブルバーガー。100gの尾崎ビーフのハンバーグを贅沢に2枚使った特別な一品。ハンバーグはロースと脂身を丁寧に2度挽きして、1ヶ月熟成させて完成するこだわったモノ。しかし価格は数百円に抑えている。「俺の肉を、こどもにも食べてもらいたいだろ?」(尾崎さん)
 


 
 焼き方は、鉄板で火を通し、その後炭火でいぶす。赤ワインと塩こしょう以外は何も加えない100%ビーフのハンバーグは、2度焼きでしっかり中まで火が通る。なめらかかつ、ふわふわ、ほくほくのハンバーグを2枚、炭火焼きしてあるバンズに挟む。このバンズもゴマたっぷりの特注だ。

尾崎畜産

 出来上がったハンバーガーは、ケチャップとマスタードのシンプルな味付け。ほおばると、柔らかいパンの中から更に柔らかい肉の感触を感じる。なにか、牛が育った環境の良さや、尾崎さんの愛情、それを食べる高い幸せ度。いろんな物事がよぎって、つい、これを一口頬ばって、ヒトコト。
 

「草原の歌を聴いた」

 
尾崎畜産

 そして最後に登場したのが、250g 40000円の肉。20度で油が溶けるこの肉は「食べたらしびれるよ」と尾崎さんの言葉にも力がこもる。でも実際はしびれると言うよりはとろけるという感覚。この肉はメスの牛だという。

 「肉はメスに限る。しなやかさ、繊細さが違うんだ。オスの牛が去勢されてしまうのも、メスに近づけるため。だから俺もメスが好きなんだ」(尾崎さん)

 そして最後は赤身。一番うまいのはなんと言っても赤身で、これを〆に食べるのが贅沢だ、と尾崎さん。焼いている最中も、「反り返ってきたときが食べ頃。肉が食べてー、って言うんだ」と、口に入る最後の最後まで、牛との対話に労を惜しまない。そんな姿勢が、尾崎ビーフを生んでいるのである。

 「良い食事が良い仕事を可能にする。それが周りの人を幸せにする。まず自分の隣の人を幸せにする。そうでなければ、離れた(肉を食べる)人を幸せにすることなんて出来ないんだ」(尾崎さん)

 肉を焼きながら名言が飛び出し続ける尾崎さんの思いは、尾崎ビーフの脂ごとく澄んでいる。実際、「俺の目標は、俺の牛肉のような人間になりたい」と語る尾崎さん。自分が肉を食べなくなったらこの仕事は辞める、と牛肉に全てを注ぐその情熱は、豪快さと言うよりは、リアルで等身大な「生きること」へのチャレンジのようにも感じられた。

 ちなみに45人が舌鼓を打った尾崎ビーフ、1人700gを男女問わずぺろりと食べてしまったと言う話を後から聞いて、びっくりしてしまった。翌朝の胃もたれ率ゼロ。とてもじゃないけれど、また行きたい、とは言えないくらいの至福な時間を過ごしてしまった。

 日南水産の魚介類も含めて、僕はトーキョーに帰ったら、何を食べればいいのだろう。いや、めげずにおいしいモノを探してみたいと思います。

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