TAROSITE.NET: TOKYOTODAY

いもや


by TARO MATSUMURA @taromatsumura 2004.06.30 15:47

imoya

 フラフラと神田界隈を歩いているとお昼時になっている事に気付いた。小川町の交差点から少し浅草橋方向に歩いた角にある吉野家を見つけたので、手っ取り早くよしに矢にしようかと思ったんだけれど、その先には並んでいる人の列となにやら梅雨の良いにおいがしてきている。気付いた時には足はもはや吉野家に入るのをやめて、その行列とにおいの方に向かっていた。


 店はカウンターしかない小さな店だが、カウンターの中ではおやじが天ぷらを揚げ、おかみがご飯をよそったりみそ汁をついだり、せわしなく動いている。そう、天ぷら屋なのだ。

 しばらく待っているのだが、もう待っている客4人くらいのオーダーをあらかじめ取っておき、とっとと上げ始めてしまうのだ。基本的に天ぷら定食600円がオーダーされており、それにカボチャをつけるかキノコをつけるかと言うところ。確か荷揚げ始めてしまってもオーダーで狂う事はあまりなさそうだ。

 とはいえ、揚がっても客が着席しなければ冷めてしまう。そんな心配をよそに、おやじは僕のオーダーを取って、揚げ始めてしまった。熱々の天ぷらは食べられるのだろうか。おやじのちょっとすました、得意げにも見える顔に心配をしていた。

 僕は4人目で待っていたんだけれど、店内の客が3人出ていき、僕の前にいた3人が着席した。着席してから1分か2分くらいの間だっただろうか、「熱々」への心配も吹っ飛んだ。客が着席するとお茶、ご飯、みそ汁が次々と出される。そしてその次の瞬間、おやじが「はい揚がり」と声を上げ、3人の前に天ぷらの盛り合わせが並べられていく。

imoya_teishoku 客の食べ終わりと天ぷらの仕上がりの見事なまでの時間感覚。客も分かっているのか、パッと席を立って出ていくし、その様子は粋と言わずしてなんと言うだろう。また2人程が店を後にして僕が着席した時も、お茶、ご飯、みそ汁、天ぷらとすぐに天ぷら定食が揃った。

 天ぷら定食でひときわ目を引いたのが大きなイカ。からっとした衣の中には、白くほくほくした食感が待っている。その他にもエビ、菜っ葉、キスなんかが山盛りになった天ぷら定食。

 味わいたいところだが、ちゃちゃっとかき込んで店を後にした。自分も粋になった気がした。


Twitter Update
    Trackback
    • URL:
      http://upwest.org/mt/mt-tb.cgi/10240