TOKYOTODAY

立ち飲みフライデー - 渋谷・富士屋本店

by TARO MATSUMURA - 2006.11.10 19:18

Fujiya Honten #06

[GET MAP!] 「おばちゃん、グレープフルーツサワー!」「グレ、グレ? そんなおしゃれなモノはないよ!」「じゃあレモンサワーならある?」「はい、レモンサワー! グラスとソーダはいくつ?」「2つ」と言って出てきたのがこの図である。ザ・セルフ。グレープフルーツはオシャレでレモンがオシャレじゃない、っていう定義はどうなんだろう。場所は渋谷の立ち飲み屋、富士屋本店。そんなに広いスペースじゃないけれど40人はいたんじゃないだろうか。今晩のみところが決まっていない方は、是非。

Fujiya Honten #03 今日のトーキョーのファウンダー2人(アベ・マツムラ)にアジーを加えた3人で初めて富士屋本店へと階段を下りると、入り口付近からおつまみのメニューが和紙に書かれてべたべたと張りまくってある。高くて350円くらいまでの数字しか見あたらないあたり、立ち飲み屋らしい醍醐味を感じてしまう。初めてだけれども。とりあえずテレビの下の末席に通されて(初心者だから当然この扱い)、生ビールを頼んで乾杯。キャッシュオンデリバリーなのもポイントです。

 2杯目にこのグレープフルーツサワーはオシャレでそんなモノはない、という下りが展開されたのだ。それにしても、グレープフルーツがオシャレでレモンはオシャレじゃない、っていうのはどうしても納得がいかない。僕の中ではグレープフルーツはフルーツで、レモンはフルーツというよりは薬味的な位置づけなので、どちらかというとレモンの方がちょっと遠い存在のように思えてしまうのだ。皮をむいてむしゃむしゃ食べるようなことは、少なくともレモンとはそれはないから(そういう身体的距離なのか)。でもレモンは「檸檬」と漢字があるから日本での存在は長いのかもしれないけれども。

 とにかく、焼酎のボトル、ソーダのボトル、氷入りのジョッキ、そして主役のオシャレじゃないレモンが届けられるのだ。勝手にやってくれ、と。好きな濃さでうまくやってくれ、と。こんなにボトルやお皿の数を出すなら作って出してくれてもいいんじゃないか、と思うんだけれど、そうじゃないんです。そういえば中目黒の焼き豚屋さんでグレープフルーツサワーを飲んだとき、1杯目はジョッキの1/4位の焼酎の量で出てくるが、2杯目は半分くらいまで焼酎が注がれていたのを思い出した。そんな危険なことは、この店に限ってはないんです。自分でやるので。

Fujiya Honten #07

 そんなことを考えるまもなく、次のオーダー品が怒濤のように出てくるのだ。おばちゃんの揚げるフライがここのお目当てではあるんだけれど、立ち飲み屋にきて僕がどうしても食べたかったのがハムキャベツだ。これだって別にどうってことはない。キャベツの上にハムをのせて、そこにマヨネーズをちょっとだけ乗せてあるだけのモノなんだけれども。立ち飲み屋で食べるこのハムキャベツは、やっぱりなんだか醍醐味な気がしちゃって、ベツ物なんです。それにしてもこのマヨネーズ量の少なさはもまた、放置されているようで気遣いを感じるわけです。

 まあビールを飲んでジョッキでレモンサワーを飲んだら、立っているせいもあって割といい具合に酔っぱらってしまい、一人1000円くらいで退散。満喫した気分ではいるけれど、なんだかちょっと悔しい気分も残るわけです。そんなに飲んでないし、オシャレなグレープフルーツサワーなんて頼んじゃったし、まだまだだな、と。


Author

松村太郎 Taro Matsumura

Taro's Portraitジャーナリスト・企画・選曲。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ビジネスブレイクスルー大学講師。テクノロジーとライフスタイルの関係を探求。モバイル、ソーシャルラーニング、サステイナビリティ、ノマドがテーマ。近著に『タブレット革命』『スマートフォン新時代』など。 read more & contact

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