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サウンドトラッカー
by TARO MATSUMURA @taromatsumura 2005.01.23 22:57
よく作業をしながら音楽を聴く人がいる。僕も願わくばそうやって音楽を聴きながら何かしたいと思ってはいるが、なかなかそう言うわけにも行かない。アズマ君曰く「アクティブリーディングならぬ、アクティブリスニングしている」のだそうだ。本に付箋を挟んで、付箋に文字を書き込みながら読み進めていくのをアクティブリーディングと彼は呼んでいたが、それの音楽版をしているというのだ。
音楽に付箋を付けていくというとあまりイメージがわかないかもしれないが、音楽を聴くときに作業の手が止まる理由は、頭の中でそんなことをごそごそとやっているからなんじゃないか、と思い始めた。まず単純に好き嫌いを一瞬で考えてから、どのくらい好きでどのくらい嫌いか、あるいはどこが好きでどこが嫌いか、と言うことを考え始める。そしたらなぜ好きなのか、なぜ嫌いなのかもついでに考える。あんまりついでという感じはしないけれど。
そうしたら次に、好きでも嫌いでもこんな作業が待っている。この音楽からどんな情景がイメージできるか、どんな音遣いになっているか? 自分の知っている曲からこの曲を繋いだら気持ちいいだろうな、だとか。何気なく聞き始めてもすぐにこんな事を考え始めてしまうので、それはそれは頭のリソースを食われて仕方がない。他のことをしながら音楽を聴くのはあきらめて、作業はほとんど無音でやるようになってきた。音楽を聴くのは移動中とか、音楽を聴く時間を作るとかしなければならない。つくづく不器用なもんだ。
テレビドラマを見ているときなんかも、音楽はついつい気になってしまう。先日「不機嫌なジーン」という月曜日・9時・フジテレビのドラマを見始めた。そのときにも、シーン毎にバックで流れてくる音楽がどうも気になってしまって仕方なかった。と言うよりは、僕が持っているCDの音楽が数曲さらっとトレースされていて「音楽の趣味が合う」なんて思っていたのだ。趣味が合うのも当然で、僕の好きな小西康陽さんが選曲していたから当たり前なんだけれども。
そんな僕が今日急に思い立った。「サウンドトラックが聴きたい」と。ドラマやバラエティなどの番組では、DJ・選曲家がついて音楽を選んでくるパターンとその番組用に音楽を作るパターンがある。さっき出てきたジーンは前者のパターンだったけれど、後者のパターンもたくさんある。何となく、番組用に作られた音楽を聴きたくなってしまったわけだ。既にドラマというコンテクストがあるから、余計な付箋を付けなくても良いかもしれない、と思ったのだ。
それで六本木のTSUTAYAに行ってみると、意外にもたくさんあるのに驚いた。考えてみると、あんまりドラマを見ていないのに気付かされる。一番最近見たのは田村正和さんがでていた『夫婦。』だったけれど、別にサウンドトラックがそこまでエキサイティングだったかと言われるとそうでもなかったような気がする。そう考えてみると印象に残っているサウンドトラックは『古畑任三郎』と『踊る大捜査線』くらいかもしれない。
僕が見るくらいに流行ったドラマだったし、またその音楽が印象に残っているくらいだから、サウンドトラックも充実している。それぞれオリジナルが3枚ずつリリースされていて、『踊る』には映画のサウンドトラックとベスト版もリリースされていた。またリミックス盤も両方でていた。さすがにスゴイ。とりあえず両方のドラマのオリジナル3枚とリミックス盤を借りて帰ってきて、とりあえず聴いてみることにした。改めて聴くとなかなか懐かしいし、こんな曲が使われていたかと気付かされる曲も入っている。
しかし余計な付箋を付けなくても良いかも、という予想は外れだった。1つ1つドラマのシーンがよみがえってくるし、珍しい楽曲が出てくるとどこで使われていたか必死に思い出そうとしてしまう。結局音から刺激を受けて働く頭の回路は、何を聴いても同じだったようだ。サウンドトラックもじっと座って聴かなきゃならないなんて、なんて不運な音楽好きなのだろう。
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